流れのゆくえ ~ 5番目の橋

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好評だったダーリンとのなれそめ小説。

ダーリンとの出会いからプロポーズまでのまとめ

第2話はプロポーズをされてから、

離婚するまでの話です。

前回までの話。

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70時間で引越し?

心底旦那は、人間的にダメなんだなと思った。

旦那が家から私を追い出せば、

私に嫌がらせすれば、

何か気が晴れて、

離婚届に判を押してくれるというのであれば、

そうしましょう。

こんな事に意味があるのだろうか?

水曜日

電話を切り、仕事中考えていた。

どうやったら、70時間で引っ越しできるか?

まずは、手っ取り早くウィークリーマンションへ行くとしよう。

そして、運送業者を探さないと。

仕事が終わるとすぐに、

ネットでウィークリーマンションを探した。

今住んでいるマンションから近い所に、

すぐに見つかった。

選んでる暇はない。

すぐに不動産屋さんに電話して申し込んだ。

そこは、先日完成したばかりの新築の一人暮らし用アパートで、

せめて綺麗な所に住みたかったので、

即決。

値段とかよりも、今は早急に動くだけだ。

次に、運送業者の手配。

荷物を出したら、もう二度と家に戻らなくて良いように、

何もかも持って出よう。

運送業者は、マナトさんに教えて貰った。

マナトさんが家から荷物を運ぶ時に利用した業者さん。

すぐに連絡し、希望の時間に予約できて、

ホッとした。

全ての手配は、水曜日中に終わった。

しかも、終業後約2時間の間に。

職場にあった、不要な段ボールを持って家に帰り、

すぐさま梱包を始めた。

木曜日

引き続き荷造り。

捨てられるものは、なんでも捨てた。

旦那の恩師から頂いた、

結婚記念日の入った写真盾は、

旦那に上げる事にした。

私は、旦那の写真は一枚も要らない。

捨てた。

とにかく捨てた。

時間が無いのだ。

この家に引っ越した時に、

親友のユリカが贈ってくれた観葉植物だけは、

大きすぎて、ウィークリーマンションには持って行けなかった。

悩んだ末に、相談したのは、

職場の同僚である、ユウリさん。

バツイツのユウリさんは、

シングルマザー。

大きな車も持ってるので、

お願いしてみる事にした。

「実は離婚する事になったんだ。

それで、ベランダに置いてる大きな観葉植物を、

一時預かって欲しいの」

「え?なんで?」

「土曜日までに家から出ないと駄目なんだ。」

「はあ?それ、旦那さん、ちょっとオカシイんじゃない?」

「うん、オカシイよね(笑)」

「解った、夜に家帰って夕飯食べさせたら車で取りに行くね」

私の突然のお願いを快諾してくれたユウリは、

私の離婚理解者で、協力者第一号だった。

嬉しかった。

世界にどどだけしか居ないと思ってたけど、

こうやって協力してくれる人が居る。

観葉植物を取りに来たユウリは、

すっかり片付いてる部屋を見て、

ビックリしてた。

そして事の異常さにも、

どど同様に怒りを覚えてる様だった。

「私も離婚経験者だからさ、

なんかあったら、相談してね!」

そうだった。

初めからユウリに相談すれば良かった。

独身の友人達や、普通に結婚生活を送る友人だと、

「もう少し良く考えて!」

って言ってたけど。

なんのアドバイスにもならなかったからな。

人間、闇の中で這いずり回ってると、

相談相手も選べない。

そんな事に気が付けるのも、

闇から出始めたからなのでは?と思った。

金曜日

仕事帰りに、ウィークリーマンションのカギを取りに行った。

そして、不要な家具をリサイクルショップに持って行って貰った。

部屋は、空っぽになってきた。

大きな家具や家電は、

ウィークリーから本当に住む所が決まった時に、

持ち出すことに、旦那も同意していた。

夜に旦那から電話が着た。

「明日マンションに行くけど、

新しく住むところが、

決まってないのなら、もう少し居ても良いよ。」

突然、優しい口調で、

先日と真逆な事を言い出したので、

ああ、旦那は頭が狂ったんだな。

と思った。

人間、ストレスが最大限にかかると、

変な事を口走るのだ。

多分それだ。

「それには及びません。もう引越し先を決めましたから。」

「ああ、そう・・・なんだ。解りました」

少しだけ残念そうな声で電話を切った旦那だった。

そうね、甘えて欲しかったでしょうね。

じゃあ、離婚も無しにしようよ!

とか、何とか交渉できると思ったんですかね?

甘いわ。

本当に甘い。

「いくらお前が、欲しい物があったとしても、

勝手に持ち出したら、それは泥棒だからな!」

「私が欲しい物は、あなたが使わないものですよ」

穏やかな反面、時折声を荒げてくるのは、

精神状態が不安定な証拠だ。

不思議な事に、実際私が持ち出す荷物は、

私が選んで気に入って使ってる物だったし、

旦那が選んだ物には、一切興味が無かった。

もう、何年も前から解ってたんだ。

気が付かない振りをしていただけ。

どどは、ずっと前から、

旦那の事が嫌いだったんだ。

旦那の選んだ物に、全く愛着が無かった事は、

自分の本当の気持ちに、

気が付けるきっかけになった。

自分の選んだお気に入りの物は、

一人で戦ってきた時間を労う様に、

大切に梱包した。

土曜日

朝から掃除に励んでいた。

この家で一番好きだった場所は、

洗面所。

大きな鏡が付いていて窓もある洗面所は、

家選びのポイントだった。

洗面所横に、小さなふきんを置き、

使った後に掃除を必ずしていた。

旦那が使った後に、

掃除をしてくれなくて、

何度も注意したな。

生活のスペースには、色んな思い出があった。

一部屋づつ、眺めて居ると、

良い思い出も、悪い思い出も。

沢山思い出された。

新しい世界へ飛び立つ不安だったのだろうか?

この愛着のある空間への未練だったのだろうか?

時間をかけて眺めて居た。

チャイムの音がして、旦那がやってきた。

既にほぼ片付けを終えた私の荷物の山を見ると、

「俺の物を持って行って無いよな?」

と、苛立ちをぶつけて来たので、

「あなたの物って、何?」

「このテレビとか、このオーディオとか」

「そんなもの要らないから、勿論置いて行きますね。」

程なくして運送屋さんがやってきた。

どんどん荷物を運び、あっという間に荷積み完了。

運送屋さんと一緒に行くからと告げると、

旦那が、

「俺も一緒に行こうか?」

と言ってきた。

この人は一体なんなんだ?

絶対に頭がイカレテル。

勿論、丁重にお断りした。

住んでる場所を特定されたら、

また、ストーカーの様に出待ちされたら困る。

「それではお元気で!早めに離婚届の準備お願いします。」

小さな軽トラックの助手席に座ると、

運送屋さん私の言葉をしっかり聞いたはずだけど、

事務的に車を発車した。

運送屋さんはプロなので、

こんな引越しを何度も経験してきたに違いない。

あえて何も聞いて来ないのが有難かった。

発車して、2分で到着したウィークリーマンション。

そう、住んでたマンションから、凄く近くなのだ。

軽トラを降りたところで、今まで居たマンションを眺めた。

ベランダから旦那が観てたら嫌だなと思った。

ウィークリーマンションは7階の部屋だった。

部屋の廊下からは、もっと前の部屋のベランダが見えた。

旦那が居ない事を確認して、部屋に荷物を運びこんだ。

すぐに運び終わり、運送屋さんが帰って行くと、

そーっと玄関から前の部屋を眺めた。

前の部屋には、人影が見えなかった。

もう、旦那も帰ったのだろう。

しかし、70時間で引越し出来たのは、

本当にラッキーの連続だったと思う。

運が味方したんだなと思ったし、

この嫌がらせは、

この先、旦那の心に棘が刺されば良いと思った。

怒りのパワーを推進力に変えて、

どどは、荒野を歩き進めていた。

この先に何が待ち構えて居るか、

そんな事は解らないし、

どうでも良い。

もう、成るようにしか成らない。

ジッと壁を眺めて居た時は、

そこからどう動けばいいのか解らなかった。

しかし、一度どぶ川に飛び込んだら、

どんどん流されて行くではないか。

そして今は荒野を歩いている。

もう、旦那にも家を追い出されたわけだし、

ようやく旦那も離婚へ気持ちが向いて来た。

どどは、とっくの昔に離婚していた。

気持ちの中では。

法律上は離婚は成立して無かったけど。

生活できるように、部屋を整えて、

テレビの横には、

マナトさんから貰った

ジュークボックスのおもちゃを飾った。

何とか整ったところで、

どどは部屋を出た。

玄関の鍵を閉める時、

前住んでいた部屋を眺め、

あの部屋よりも、もっといい部屋に住もう。

そして、あのアホ旦那よりも絶対に金持ちになろう。

そう固く誓った。

そしてマナトさんが待つ、待ち合わせの場所へ向かった。

***********************************

どどさん、今日も離婚出来なかったわね。

前回エピソード早送りしたんだけどなあ。

文中のマナトさんと、

朝夏まなと様は、一切関係ございません。

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