流れのゆくえ ~ 7番目の橋

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好評だったダーリンとのなれそめ小説。

ダーリンとの出会いからプロポーズまでのまとめ

第2話はプロポーズをされてから、

離婚するまでの話です。

ここは長いですので、テキトーに読むのが良いでしょう。

前回までの話。

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「じゃあ、離婚してきますね。」

マナトさんにそう告げると、

満面の笑顔で、

「よし!行って来い!」

と送り出してくれた。

とりあえず、実家に寄った。

今日離婚届けを出す事を、報告したら、

父が、引き出しから一通の手紙を出した。

義父から父に手紙が届いて居たのだ。

「呑気な息子が三行半を突きつけられた、といった形です。」

といった文から始まっていた。

義父は解ってたんだ。

息子の不甲斐なさを。

それでも息子は息子だ。

息子を全否定するわけでも無く、

かといって、こちらを批判する訳でも無い。

別々の道を歩むことになりますが、

お世話になりました。

と、結んであった。

義父は、昭和の高度急成長時代を支えた、

スーパーサラリーマン。

こういう手紙の中からも、

お人柄がにじみ出る。

義父のこういう見えない努力や、

人間力には気が付かず、

人前で偉そうにしていた事、

母を苦しめていた事、

そんな表面的な事しか観てない旦那は、

永遠の「息子」なんだな。

父が

「お義父さんに返事を書きなさいよ。」

と言ったけど、

これは、私が電話で報告した事の返事だから。

と、答えた。

短い電話の中で、離婚する事を報告したけど、

義父は電話口では、

「どどちゃん、今までありがとう、

元気でね」

って言ってくれた。

義父は、旦那にとってはダメな親父かもしれないけど、

どどが、旦那の実家で唯一気が合うのが義父だった。

きっと、実家で肩身の狭い思いをしているのでは?

と気にかけてくれたんだと思う。

手紙の消印は、

マンションを追い出される前の日付だったから、

電話をかけた後に、書いて送ってくれた様だった。

しかし、このタイミングで手紙を見せてくる父にも、

ちょっと感動した。

父はいつだって、どどを見守ってくれてた。

これと言って口出しもしなければ、

余計な手出しもしなかった。

これが、大きな愛なんだなと思ったし、

もしも自分が親になったら、

父みたいに子供を愛そうと思った。

最後の場面を目の前にして、

不安が広がる。

土壇場で何かあったら嫌だな。

念には念を押して・・・

もう一通離婚届を区役所で貰い、

全部記入した。

保証人の欄には、私の親と兄弟に書いてもらった。

こちら側2名でも良いのだ。

後は旦那のサインと印鑑だけ。

そんな状態にしておいた。

実家から、千葉までは遠い。

電車で1時間半位はかかりそうだ。

初めて行く場所だし、早めに家を出た。

区役所は、駅から遠く、

駅前から、区役所行きのバスに乗った。

初めて行く区役所は、

都内のものと比べて、敷地も大きく、

利便性が悪いせいか、

大きな駐車場もあった。

自家用車が無いと住めないなと思った。

旦那との結婚生活で、どどが買った車は、

旦那に持って行かれてしまった。

どどは、別に車なんか無くても生活できるし、

市内ならタクシー移動が便利だ。

車を所有するよりも、タクシー利用の方が、

実際にも安上がりなのだ。

生活習慣の違いもあったんだな。

二人の間には、

実は初めから見えない溝があって、

お互い気が付かないように、

何かで埋めて居たけど、

溝はいつしか、

どちらも埋めようとしなくなった。

そして、溝があっても良いとは思えなかった。

どちらのせいという事も無く、

どちらも悪いし、

どちらも悪くない。

ただ、合わないだけ。

それが離婚なのだ。

では、結婚ってなんなのかな?

どどが思う結婚は、自分の家庭を持つ事だった。

家族を増やす事に同意してもらえず、

家族としての思いやりに欠けてる旦那。

結婚しても一人だった。

家族が居ないのに、家庭などあるはずない。

マナトさんは、結婚しようって言ってくれてるけど、

どどは、結婚したいと思わなかった。

結婚してないけど、事実婚の様に、

家族にはなれるし、

家庭が欲しいだけのどどには、

結婚制度の意味が解らない。

こうやって、離婚するのが大変なだけだ。

離婚届を提出するのは、

区役所の中の戸籍課だ。

区役所の中の少し端の方にある窓口に行き、

時計を見たら、

旦那との約束の時間よりも15分ほど早かった。

しかし、必要書類がちゃんと揃ってるのか、

確認して欲しかったので、

窓口の女性に、書類一式を見て貰う事にした。

本当にここまで長かった。

思えば、旦那との結婚届は、

旦那が一人で出しに行ったな。

結婚式をする前に出しに行きたかったのに、

旦那が必要な書類を揃えてこなかったので、

結婚届けが出せなかったのだ。

結婚式が終わってからも、

いつまでも書類を取りに行かず、

暫く、結婚してなかった。

今思えば、あの時、出さずに、

そのまま居れば良かったな。

しかし皮肉なもので、離婚届けは一緒に出しに来ている。

「はい、書類の方の不備はございません。

あとは、ここに旦那様のサインと印鑑ですね。」

「どうもありがとうございました。

もう少ししたら旦那も到着しますので、

記入してもらいますね。」

と、言った所で、旦那が現れた。

なんてタイミングが良いんだろう。

「あ、今ね、書類に不備が無いか、確認して貰ってたの。」

すると、区役所の女性の方が、

「では、こちらにお名前フルネームと印鑑を、

お願いします。」

まさかの援軍がやって来たのだ。

旦那は、土壇場で何かやらかしそうだと思ってた。

しかし、外面だけは良い。

人前で揉めたりするのはみっともないと思ってるはずだ。

第三者から、しかも事務的に促され、

断りようがないはずだ。

「あ、はい。

いや、前貰ってた離婚届持って来たんだけど」

ほらね、ここまで来て、つべこべ言うのが、

旦那クオリティ。

私は、冷たく

「提出した書類で問題無いので、そちらは不要ですから。」

と、言うと、区役所の方も頷いた。

そそくさとサインを入れる旦那を眺めて、

ああ、これで終わった。

もう、二度とこの男とは会いたくない。

と、思った。

「では、こちらはお預かりします。

後日はがきが届きますので、確認してください。」

深々と頭を下げて、その場を離れた。

旦那は、すべて終わったと言うのに、

「本当は、先にこちらの書類にサインを入れて欲しかったんだけど」

と、なんか契約書みたいなものを持ってきた。

甲は乙を・・・

と書かれた書類は、

今後一切金を要求しない事などが書かれていた。

ほんとうにバカなんだな。

お前の金なんか要らない!って言ったよね?

呆れてしまったけど、

普通にサインして、

その書類は折りたたみ、バッグに突っ込んだ。

区役所を一緒に出ると、

旦那が駅まで送ろうか?

と言ってきた。

殺されたら嫌なので、断ろうと思ったけど、

自分の買った車に乗るのは最後だから、

送ってもらう事にした。

マツダのCX-3は、車好きなヒカルのオススメだった。

マツダ独特の走行感は、癖になると言われたが、

私は、あまり好きではなかった。

久しぶりに助手席に乗った。

旦那は、ちょっと正気を取り戻したようだったが、

離婚騒動中に起こった自分の話を始めた。

「離婚と言われて、

夜眠れなくなったんだ。

それで、瀬戸さん(私の友人)のクリニックに行き、

うつ病って言われたんだ。」

「へーそうなんだ。

離婚する前の5年位私はずーっとうつ病だったよ!」

睡眠薬を処方して貰った話は、

瀬戸さんから聞いていたし。

だからなんだ?という位な事でしかなかった。

「睡眠薬を処方して貰ったけど、

そのせいで、朝起きれなくなり、

会社に遅刻したりして大変だったんだよね」

昔、浮気をしたらどうする?

って聞いたら、

会社や家庭に迷惑かけなければ何をしても良い。

って答えた旦那だったが、

そうやって会社に迷惑かけてるのは面白い。

偉そうに振る舞うヤツの言葉は、

こうやって、メッキが剥がれて行くのだ。

メッキが剥げた旦那は、ただの錆びついた金属の塊。

廃材だと思った。

マナトさんは、金とか銀では無くて、

ただの鉄かもしれないけど、

ただの鉄でも、毎日手入れしていれば、

独特な輝きを放つのだ。

「お前は、友達がいっぱい居て良いな。

俺は友達が居ないから、

こういう時に、一緒にゴルフへ行く人も居ない」

確かに単身赴任してからは、

千葉には友人は居ない。

「瀬戸ちゃんや、朝美ちゃんと、連絡とって遊べば?」

瀬戸ちゃんや、朝美ちゃんは、私の友人だけど、

家族ぐるみで良く旅行やゴルフに行っていた。

いつも、ちょっとイヤイヤついて来ていたし、

私が、友達と遊びに行くのをとても嫌がってた癖に。

今はこうやって、友達まで恵んでもらうのか?

「ところで、お父さんは元気?」

手紙の事は話さなかった。

馬鹿息子に、賢くなるチャンスなど与えないのだ。

「ああ、元気にやってるよ。

離婚の事を言ったら、兄貴も親父も口を揃えて、

お前は本当に何もして来なかったんだな!

って言われたよ。」

失笑している場合じゃない。

そういうのを開き直りと言うのではないか?

そんな風に進言してくれる家族が居るのに、

何も学習しない旦那。

「あなたさ、実家に帰っても、

お義兄さんの嫁にお世話になりっぱなしでさ、

あなたは、息子じゃないんだから、

シッカリしなさいよね!」

「そうだね。」

笑いながら頷いてた。

どうせ、解ってない癖に。

「ではお元気で!」

駅前で車から降りると、

それだけ言って別れた。

助手席のドアを閉めると、

振り返りもせずに歩き出した。

数歩歩いたところで、

500円玉を拾った。

ああ、あの貧乏神と別れると、

こうやって、お金が降って来るんだなと、

有難く頂いた。

駅ビルの前を通りかかると、アンケートをしていて、

今なら、500円分のクオカードをお渡ししますとの事。

簡単なアンケートに答えて、

ものの5分で500円を頂いた。

そして、駅の切符売り場で、

釣銭を受け取ったら、

50円多い。

どうやら、前の人が取り忘れて行ったようだ。

それも有難く頂いた。

旦那と別れてすぐに1050円儲かったのだ。

これは、何か金運が上昇するのか?と思った。

実際問題、今の給料で一人暮らしとなると、

わりとキツかった。

金運上がらないと、困るな。

春には程遠い寒い冬の事だった。

どぶ川に飛び込んだどどは、

大きな川に流され、時に激流に飲み込まれた。

そして、ある時は荒野を一人歩いていた。

もうすぐ、桜の咲く並木道を、

マナトさんと一緒に歩けるかも。

そうなったら良いなあ。

荒野だと思ってた世界は、

彩り豊かな、温かい場所だった。

世界がとても明るかった。

昨日とは違う、今日を。

今日とは違う、明日を。

知らない間に未来を思う力が備わっていた。

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みなさん、お疲れ様でした。(笑)

ようやく離婚出来ましたよ。

新シリーズ第三話は、

離婚してから結婚・出産するまでの話です。

お楽しみに!(笑)

レッドカーペットを歩く朝夏様。

トムクルーズに、

「ヒロインになれば?」と言われてたねえ。

ほんと、朝夏様は輸出したくないので、

よろしくお願いしますよ。

マナトさんと朝夏まなと様は無関係です。

(指さし確認OK)

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