奇跡の名作「神々の土地」

昨日の初日から、立て続けに3公演見てきました。

ええ、ただのオタクです。

 

初日は、ぶっちゃけ朝夏様に夢中すぎて、

これ、駄作なのかな?

ありがたい、駄作キターーーー

というテンションだったのだが、

二回目見たら、嘘みたいに泣ける話じゃないか?

 

いや、初日も泣いてたよ?

でも、その涙の理由は、

朝夏様のジェンヌ人生に重ね合わせたり、

一緒に退団するうらら様が、

トップ娘役になれなかった事に対しての、

悔し涙だったり、

劇団がトップ娘役にしないなら、

俺がしてやる!

という朝夏様の男(役)気に感動したり、

といった、ほぼ自炊(オタク用語の自作自演の妄想という意味)。

 

オタクは、自炊だけで、遊べる生き物。

劇団が書いてくれないなら、自分で考えるから、

いいんだよ?

自分の損失は、自分で補填し、

辛い現実を埋める、簡単なお仕事。

 

そんな通常運転で、泣いてた初日でしたが、

この「神々の土地」、とんでもない名作ですわ。

奥さん、

これ見ないと、今後のヅカを語れないよ?

 

ヅカの古典的作品とも言える、

名作を多数生み出してる柴田侑宏先生という方がいて、

私は、割とこの先生の作品が好きなんですが、

とにかくタカラヅカドリームが広がる感じがたまらなく、

セリフの古臭さも、癖になる感じなんですよ。

 

例えば、「主人の臥所(ふしど)」とか、

今、あんまり使わない言い回しが出てくるんですよ。

 

今回の「神々の土地」は、

柴田先生作品の、「バレンシアの熱い花」と

「仮面のロマネスク」「黒豹のごとく」あたりを混ぜて、

設定をロマノフ王朝の終焉に持ってきたような感じです。

まあ、全然伝わらないとは思いますが。

 

今後観劇予定のある方にちょっとでも伝わればいいなあ。

 

このところ、久美子先生作品と戦ってましたが、

すっかり仲直りした感じです。

 

ちょっとした事で仲違いしてましたが、

なんだ、やっぱりいいやつじゃん!

そんな感じです。

 

もちろん、朝夏様の演技力が素晴らしく、

上田久美子先生作品の世界観を作り込めた結果なんですけど。

また、宙組の皆さんもね、

適材適所すぎて、しびれます。

特に凛城きらさんの芝居が凄いわ。

あんなに、ハマる人もいないわくらいですよ。

その夫役の松風さんの芝居も恐ろしくうまいのよ。

あんなに愛が溢れてる人も珍しいわよね。

 

 

 

どどさん的「神々の土地」解説

 

若干ネタバレなので、

以下、読みたくない方はここまでで・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

*************************

ロシアには、キリスト教が入ってくる前には、

土地を信仰する風習があったそうだ。

(スラヴ神話的な事だと予想)

農民たちは、土地を愛し、土地を神と崇めていたのだ。

 

ドミトリーと親交のあった農夫は、息子を徴兵され、

戻ってこない。

冒頭のシーンで、

「神様!息子は生きてますか?戻ってきますか?」

って雪原に向かって叫ぶシーンがあるんですよ。

その名残として描かれたのかな?

 

ドミトリーは、叔父に嫁いだ美しいイレーネへの愛を、

自分の心に秘めて、この土地だけが覚えていてくれ。

って歌うんですよね。

 

時代が移ろいで、亡命した王族や貴族の中には、

いつか、またロシアに戻りたい!

と、言うのです。

 

美しい思い出の土地に、

いつか帰りたい。

 

それは実際には叶わぬ夢で、

死んでから、魂が戻る場所であることを意味している様に感じます。

 

ラストシーンの、「神々の土地」で

民衆も

王族も

貴族も

活動家も

宗教家も

みんな笑顔で歌い踊る。

仲違いしていた姉妹も笑顔で挨拶を交わし、

革命で死んだ恋人も、

親兄弟も、仲良く楽しく踊ってる。

 

みんなが去った後、

イリーナだけが残り、

遠くにドミトリーがやってくる。

二人は死んで、「神々の土地」で再会するという。

そういう設定なのだろうか?

 

涙が止まらないシーンですよ。

 

今回、トップ娘役が不在ということで、

朝夏様の婚約者役は、星風まどかさん、

朝夏様の愛する人は、怜美うららさん。

というダブルヒロインなんですけど、

完全に、ヒロインが怜美うららさんで、

この方の奇跡的な美貌で、

物語の90%が出来てるような話です。

 

 

二人が再会して、舞踏会で踊るシーンがあるのですが、

はじめ、硬い表情で踊ってる二人ですが、

曲の盛り上がりと共に、

朝夏様がどんどん生き生きと笑顔に変わっていくんですよ。

怜美うららさんは、別に笑ってるわけではないんですけど、

瞳の奥で、ドミトリーへの愛を溢れさせていくんですよ。

それを感じて、どんどん笑顔になっていくドミトリーの朝夏様。

素晴らしいシーンですよ。

 

そして、お別れのシーンで、雪原での二人の芝居がですね、

大変濃厚で・・・・・

本当は話したいことは別にあるのに、

とりとめも無い話題を続けるんですよ。

思いはお互い溢れているのに、

話したい事は話さないの。

話したところで運命は変わらないから。

 

この辺りから、号泣なんですけど!

 

極め付けが、

「麗しのイレーネ!」

「イリナよ、今の名前はイリナ。」

「一度、呼んでみたかったんだ。君が嫁ぐ前の名前で」

 

もう、劇萌えすぎて、死ぬかと思ったわ。

このセリフ、既婚者のどどさんが聞くと、

魂が喜ぶのよ(笑)

 

このセリフだけに、S席8300円分払えます。

だから、他のシーンとショーが、ほぼ無料ですよ。

なんてお得なんでしょうか?

(オタクの金勘定は、いつもオカシイ)

 

私、実家の近所にまた住みたいなってボンヤリ思ってたけど、

死んだら、朝夏様の居る、

神々の土地へ魂だけ飛んで行くことにしたわ。

 

私のお墓の前で

泣かないでください

そこに私は 居ません

(朝夏様もそこにはいません)

 

はあ、素晴らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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