好評だったダーリンとのなれそめ小説。
ダーリンとの出会いからプロポーズまでのまとめ
第2話はプロポーズをされてから、
離婚するまでの話です。
前回までのお話し
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千葉に向かう電車の中で、
マナトさんにメールを送ろうか、悩んでいた。
なんて送ったら良いのか。
とにかく、離婚したい!と手紙に書いてから、
旦那に会うのが初めてだったので、
不安でいっぱいだった。
早い時間から旦那に会うのは気が重く、
千葉に住んでる友人と、
駅前で待ち合わせして、
ちょっと飲む事にしていた。
友人は、年上のコウイチ。
酒飲み仲間で、独身貴族。
大企業で、グループリーダーをやってるコウイチは、
旦那とも立場が似て居て、
何かと相談相手にちょうど良かった。
しかし、旦那とは全く違う生き方をしている男。
結局マナトさんにはメールを送れずに、
駅に到着してしまった。
駅の改札を出ると、
コウイチがニコニコ手を振っていた。
「何ニヤニヤしてんだよ!
こっちはそんな気分じゃないんだよ!」
「お前、相変わらずだな!(笑)」
と、悪態をついたが、二人とも顔は笑っていた。
早速コウイチお勧めの居酒屋へ行き、
酒を飲み始めた。
「急に連絡来たから何かと思ったけど」
「急に連絡しても、お前暇なんだな!」
そんな事が言い合える、気楽な関係のコウイチは、
どどにとっては、一番一緒に居て楽ちんな存在だった。
「実はさ、離婚しようと思ってるんだ」
いつもふざけてばっかりのコウイチの顔から、
表情が無くなった。
あ、また言われるのかな?
良く考えた方が良いって・・・
一瞬構えたけど、もう慣れた。
聞きたい返事が返って来ないなら、
言わなければ良いのに。
心にポッカリ空いた穴ぼこの理由を探したくて、
同じ会話を続ける自分に、
呆れていた。
「ふーん、そうなんだ。
じゃあ、東京に帰って来たら?」
え?東京に帰る??
コウイチはやっぱり友達だ!と思った。
以前飲んだ時に、
結婚生活に疲れて、
もう、東京戻ろうかな?
と、チラッと言った事を、
覚えてくれてたんだな。
心の穴ぼこに、風が吹いた。
「それが、今東京に帰る訳にはいかないんだよ。」
マナトさんの事もあるけど、
どどの仕事は、佳境を迎えていた。
今、抜けるわけには行かない、
大きな仕事に取り組んでいる最中だったのだ。
「お前さ、仕事なんか一人位居なくなっても、
まわって行くもんだぜ!」
大企業でグループリーダーをやってるコウイチの言葉には、
コウイチの歩んできた道のりを感じる。
コウイチに、今までの事、マナトさんの事も話した。
そして今から、旦那に手紙の返事を聞くことも。
「そりゃ、心中穏やかじゃないな。
でも、なんでそんなに焦ってるの?
ただ、話聞くだけじゃん?」
そう、どどは焦ってた。
旦那が素直に離婚に応じてくれるのか。
旦那が突然豹変して、怒り狂ったらどうしよう。
人は追い詰められると予測できない行動に出るから。
なんせ「離婚の壁」を5年も眺めて来たどどなのだ。
旦那がどう思ってるのかすら、
考えようともして来なかったツケが、
一気に来てしまった。
この時点で、予測不可能な事態になっていた。
なので、焦っていたのだ。
焦った状態で飲む酒は、
正直、味が解らない。
次第に無口になって行く私にコウイチが、
「そんなに気になるなら、一緒に行ってあげようか?」
そんな風に、コウイチが心配してくれちゃうくらい、
どどは虚ろだった。
でも、今コウイチが出て行ったら、
色んな事が混乱しそうだし、
1人で頑張るしかないのだ。
これは、どどの問題なのだ。
「んじゃ、また飲もう!次に会う時は独身だと良いけど!」
「ほんじゃ、頑張って!!」
コウイチに送り出されて、
旦那の住むマンションに向かった。
一人暮らし用には少し広いマンションは、
単身赴任の引越しの際に、
一度だけ行った部屋だ。
久しぶりに会った旦那は、
いつも通りで、普通に、
「いらっしゃい」
とか言っていた。
何も無かった事にするつもりだ。
直感的に感じたどどは、
到着するなり、手紙の話を始めた。
「手紙読んだよね?
どう思ったの?」
「いや、特に・・・」
「特にって?別れてくれるよね??」
「それは、これから良く考えて・・・」
「良く考えても、離婚するからね。」
「だから、これから良く考えるから・・・」
「考えてよ!早く!!」
変な話だが、これが限界だった。
これ以上話せない。
並べて敷いてあった布団を、
一枚別の部屋に持って行き、
寝る事にした。
布団の中から、マナトさんにメールした。
(手紙は読んでくれてたみたいだけど、
良く考えるとか言ってる。
離婚はまだまだ先の話になりそうだけど)
もう、遅い時間だし、入院患者の夜は早い。
マナトさんからは返事が来ないだろうなと思ったけど、
程なくして、返事が着た。
(お疲れ様。上手く行くと良いね)
言葉が少ないのは、
色んな想いが交差していて、
的確な言葉が浮かばない時ぎ。
そんな、行間を感じつつ、
気持ちの拠り所がある事が、
どれほど有難い事なのか、
噛み締めていた。
そうだね。
上手く行くと良いね。
どどは、返事は送らず、
そのまま寝た。
正確には、布団に横たわってただけだ。
別れると決めた男は、
見知らぬ男とほぼ同じなんだと思った。
長年EDで性生活の無い夫婦だけど、
ここへきて、突然襲われたら、
絶対に嫌だ。
「見知らぬ男」と、一つ屋根の下に寝るのは、
何とも言えない恐怖心が湧きあがるものなんだと思った。
今なら、コウイチと一緒のベットで寝る方が、
よっぽどマシだ。
むしろ、コウイチなら一回くらいヤっても良いか?
位な気持ちになってきた。
マナトさんといつかエッチする時って来るんだろうか?
そんな事をボンヤリ考えたりもした。
それにつけても、もう後戻りはできない。
旦那がこんなに生理的に受け付けない男になっていたとは、
どども驚いた。
次の日、朝起きると、
実家に寄ってそのまま、大阪に帰る事にした。
手紙の返事を下さい。
とだけ旦那に言って別れた。
どどは、どぶ川からどんどん流されて、
今まで観た事も無い景色を見始めていた。
川幅は広くなり、
水深も深い。
この先の景色はどんなものなのか、
またどぶ川に戻るのか?
それとも海に出るのか・・・
全然見当もつかないけど、
とにかく、どんどん流されて行ってる事は事実だし、
それで良いと思った。
元には戻れない。戻らない。
川の流れは一方通行なのだから。
あと何回話せば解ってくれるのかな?
とりあえず、離婚届を貰いに区役所へ行く事にしよう。
別れると決めたら、別れる。
必ず。
何かをやり遂げる力は、
いつだって、自分の中にしか無い。
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一度嫌いになった男は、
二度とダメだと思った。
朝夏まなと様は、一度も嫌いになった事ないんだけどなあ。

こんなぺっちゃんこの靴履いてても、
足長いよねえ。
そして、朝夏様はどどに、
夢と希望を、常に与えてくれる人。
リアルメンズ(マナトさん=ダーリン)に
疲れた時は、朝夏様よ!
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