好評だったダーリンとのなれそめ小説。
ダーリンとの出会いからプロポーズまでの話
プロポーズされてから離婚するまでの話
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離婚して、身も心もスッキリしたどどは、
大阪への飛行機の中に居た。
世の中すべての人が皆どどに親切で、
凄く輝いて見えた。
こんなに気分が良いのか。
悩み事の無い人生って素晴らしい。
大阪に到着すると、
そのままマナトさんのお店へ行き、
祝杯を上げた。
本当に良かった。
身体がスッと軽くなったような気がして、
とても気分が良かった。
晴れて離婚した事で、
マナトさんとの付き合いも深まって行った。
マナトさんと初めて会った時に思った、
(こんな男とエッチしてみたい)
という願望は、めでたく叶えられ、
以後、週に3日はどどの家に泊まりに来てくれてた。
とはいえ、夜の仕事のマナトさんなので、
朝方帰って来て、起きたら横で寝てて、
帰宅すると、もう居ないなんて事ばっかりだった。
週末はどどの家でゆっくりしてから、
二人で、買い物に行ったり、
自転車で映画館に行ったりした。
二人の映画の趣味は似て居て、
単館上映系の映画が好きだった。
一緒に観た映画で、とても記憶に残ってるのは、
「かもめ食堂」
イッターラのカップが可愛くて、
欲しくなり、
映画館のグッズ売り場で見つけ、
400円かな?と思って手に取ったら、
4000円だったという。
でも記念だから、と買って帰った。
二人で選んだ食器や家具。
二人で選んだ事が無かったどどには、
全てが夢の様だった。
二人で選んだ物には、二人の思い出がある。
離婚した時に持ってきた家具には、
どど自身の思い出しかなかった。
そんなある日、どどは身体の異変を感じ、
薬局に妊娠診断薬を買いに行ったのだ。
もしかして妊娠したかも。
嬉しい。
家に帰ってドキドキしながらやってみたら、
妊娠していたのだった。
ああ、夢に見ていた妊娠が、
こんなに早く実現するなんて!
マナトさんにすぐに伝えたら、
物凄く喜んでくれた。
そして、
じゃあちゃんと結婚しようね。
子供の事もあるから、
結婚しないと!
そう言ってくれた。
どどは幸せの絶頂だった。
もう二度と結婚はしなくて良いやと思っていたが、
子供が出来たのなら別だ。
もう一度結婚しよう。
そしてマナトさんと幸せな家庭を築こう。
しかし、離婚してから半年は結婚出来ない法律なので、
すぐに入籍は出来ない。
とりあえず、マナトさんの母に会う事になった。
レストランで会ったのだが、
意味不明な低姿勢で、
「よろしくおねがいします」
って言うので、
なんか暗い人だなと思った。
でも、どどにとっては、
マナトさんと結婚する事が重要な事で、
姑のことなど、どうでも良かったのだ。
人間どん底に居ると、
少しの幸せでも、嬉しいもので、
その幸せに付随する問題など、
どうでもいい、ちっぽけな物に感じるのだ。
マナトさんは実家に住んでる母親を、
一人残してはいけないと言うので、
同居する事に決めて、
家族で住めるマンションを探す事にした。
家賃や広さや間取りなど、
考え無ければいけない事は沢山あったけど、
マナトさんと一緒に物件めぐりするのは楽しかった。
どどの幸せと一緒に、
お腹の子もどんどん育って行き、
ベビーグッズを見に行くのも幸せだった。
以前は、子連れの方を見ると、
羨ましくて、目を背けていた。
友人への出産祝いで、
ベビーグッズを観に行った時も、
こんなものを、自分用に買う日が来たら良いなあ。
と、やりきれない思いに、
涙した事もあった。
でも今は違う、お腹の赤ちゃんに想いを馳せて、
楽しく選べるのだ。
ある日、妊婦雑誌を買ってみたどど。
この分野の情報があまりに知らなさすぎる為、
試しに買ってみたのだ。
付録についてた、パパ用の冊子をマナトさんにあげた。
パパ用の冊子を貰ったマナトさんは意外にも、
嬉しそうだった。
マナトさんは、物凄く子煩悩な人になりそうだな。
数日後、パパ用の冊子を持ってきたマナトさんは、
抱っこ紐を指さし、
「俺、これなら抱っこ出来ると思うんだ。
手があかんから、普通には出来ないけど、
これがあれば抱っこして歩けるぞ。」
親になる事への喜びは、
どどと同じ位、マナトさんも持っていた。
その事がとにかく嬉しかった。
次の休日、早速マナトさんが雑誌で観た抱っこ紐を買いに行った。
こうやって、少しづつ揃っていくのが嬉しかった。
そして、こんな夢の様な生活を送れるようにしてくれた、
マナトさんへは感謝の気持ちでいっぱいだった。
妊娠したけど、仕事は続けるつもりだったので、
仕事に行っていた。
ある時パソコンに向かっていると、
目がかすみ、画面の一部が見えなくなった。
怖かった。
このまま目が失明したら、
赤ちゃんに会えなくなる。
マナトさんに電話したら、
「シッカリしろよ。とりあえず病院に行けよ」
流石に自分でも怖くなり、
病院へ行ったのだ。
当然、産科。
産科医が言ったのは、
「あのね、妊娠すると血流とか変わるから、
目を使いすぎると、そうなるのよ。
あんまりパソコンとかやらない方が良いよ」
といった、緩いアドバイスだったが、
この感じは気が合うので、
どどは好きだった。
そして、どどの実家にも行く事になった。
この前離婚したばかりで、
再婚するというのも、なんだか言い難くて、
妊娠が解り、結婚する事になった時に、
実家に電話したら、母が、
「あらそう、なんだそういう事だったのね」
と言ったのが、
とても救いだった。
なんせ、色んな事を気にしているどどの方がオカシイ。
そんな感じの親で良かった。
しかし、元旦那とマナトさんは外見的に全く真逆。
元旦那が、真面目な優等生タイプだとしたら、
マナトさんは明らかに不良と呼ばれた男だった。
そういうのを、初めから隠そうとすると、
色々あとからシワ寄せが来るものだと思ったどどは、
マナトさんに、いつも通りの格好で行ったら良いから。
と、言った。
流石にいつも通りの格好だと、
問題だと感じたマナトさんは、
いつもよりも地味な服を買いに行ったのだが(笑)
ピアスとか指輪はそのままでいいよと言った。
マナトさんは、スキンヘッドにしていたので、
一番そこが問題だと感じ、
先にそこだけ強調して置いた。
実家に到着すると、父が出迎えてくれて、
マナトさんに、
「松山千春かと思ったよ」
というオヤジギャグなのか?
という微妙な事を言ってきたので、
もう、色々気にしなくても大丈夫だと思った。
実家から戻ると、赤ちゃんもさらに大きくなってて、
どんどん、実感が湧いてきた。
産婦人科の検診で、聞いても居ないのに、
女の子ですね。
って言われてしまったのは、
ちょっとショックだったけど、
私は女の子でも男の子でも、
どちらでも良いと思った。
マナトさんは、男の子が良かったなと言ってたけど。
大分お腹も大きくなってきて、
身体が重たくなってきた。
休みの日は、なるべくゆっくりしようと思って、
部屋で昼寝をしていた時の事、
不思議な夢を見た。
仰向けに寝るとお腹が重くて苦しいので、
横向きで寝ていたどど。
目が覚めると、
お腹の中に居るはずの赤ちゃんが、
横に居て泣いていた。
不思議な事に、赤ちゃんをじっと見ていると、
赤ちゃんが何をしてほしいのか、
何となく解る。
そんな夢だった。
起きたら、まだお腹の中に赤ちゃんは居たけれど。
とても鮮明な夢だった。
産まれた赤ちゃんは、きっと心が通じてるんだな。
だから、私は泣いても慌てないで、
赤ちゃんを見守れば良いんだね。
70時間で行った夜逃げ同然の引っ越しで
2週間だけ住んだウィークリーマンションから、
一人暮らしのマンションに引越し、
こんどはマナトさんと住むマンションへと引っ越す。
引越の荷物の中には、
マナトさんから貰った、
ジュークボックス型のおもちゃもあった。
新居でも飾ろう。
やがて引越しの日がやってきた。
これから、マナトさんといつも一緒に居れる。
引越終わってから、結婚届を出せる日が来る。
そして、出産。
なんだか順番が違うような気もするけど、
別に良いのだ。
引っ越してみると、少し足りない物が色々出てくる。
生活雑貨を二人で買いに行くのも楽しかった。
そして、結婚届を出す日がやってきた。
勿論二人で行った。
名前がマナトさんの姓になるのも嬉しくて。
お店の買い物があったマナトさんは先に家を出たので、
区役所の前で待ち合わせをすることにした。
もうすぐ秋になろうとしていたが、
まだまだ暑い晩夏の頃。
一年前は、元旦那に
「離婚もしてくれないのか?お前は!」
と、ホテルの喫茶店で罵倒していた。
ああ、早かったなこの一年。
一年で一生を生きたような、
そんな気分になっていた。
区役所の前は、西日が強くて、
暑かったけど、
マナトさんが来るのをここで待ってようと思った。
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ああ、離婚してからは、なんて平和なんでしょうか?
たいしたエピソードも無く、
楽しい毎日。
平凡な幸せって素晴らしいってシミジミと・・・・

マナトさんは、朝夏まなと様とは無関係です。
(定期確認)
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