ダーリンとのなれそめ小説を書いてます。
前回までの話はこちらからどうぞ。
ダーリンとの出会いからプロポーズまでの話
プロポーズされてから離婚するまでの話
離婚してから結婚・出産まで。
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朝起きると、看護婦さんがやってきて、
血圧とか体温とかを測定。
お昼から手術になるので、
何も食べれない。
いよいよ、我が子との対面か。
街の産婦人科クリニックでの出産だったので、
看護婦さん達は、だいたい顔馴染みなのも安心できた。
手術の前にダーリンがやってきて、
ちょっと話をしたけど、
「俺、なんもする事無いから、
飯でも食べに行ってくる」
と、早々に病院を出て行った。
同居の姑も一緒に来てたので、
鬱陶しかったのだろう。
まあ、姑も特にやる事ないので、
帰ってくれて良いんだけど。
嫁の立場では言えない。
手術は、昼の2時からだったけど、
準備があるので、
1時半頃から手術室に入る事になったのだが、
ダーリンがお昼ご飯から帰って来ない。
携帯で連絡すると、
すぐ近所に居ると言う。
程なくして、戻ってきてくれた。
半身麻酔で手術が始まった。
そして無事に20分ほどで、生まれた。
「わー早いですね!」
って言ったらドクターが、
「いや、どどさんは、やっぱり骨盤が狭いので、
取り出すのに時間かかりましたよ。」
って言われたので、驚いた。
そうか、帝王切開って、すぐに産まれるのか。
赤ちゃんとも無事に対面。
(なんか、観た事の無い顔だな)
自分の子供だけど、
サッパリ自分に似て無くて、
ほんと、見知らぬ顔の赤ちゃんだった。
帝王切開の為、ストレッチャーで病室に運ばれて行く途中で、
マナトさんが我が子に対面してるところを見たのだが、
保育器の中に入ってる我が子が目を見開いて、
マナトさんを凝視しているようで、
ぶっちゃけ、怖かった。
マナトさんも、なんか怖いなあって笑ってた。
この時、生まれてきたアヤコは、
マナトさんの死んだ父の生まれ変わりなのでは?
という説が濃厚となったエピソードでもある。
そしてその数年後、
生まれたてのアヤコと同じ顔をした、
マナトさんを目撃する事になるのだ。
ただのソックリ親子でもあるのだ。
名前はマナトさんが決めていた。
帝王切開は、手術なので、
術後24時間は安静なのだ。
そのため点滴で繋がれ、
ベットから起き上がる事も出来ず、
腰痛と戦いながら、
ベットのリクライニングの頭の方と足の方とを、
上げ下げしながら、
1日過ごした。
その間、
血栓予防の為に足に取り付けてる器具が、
風船を膨らませて、空気を抜くという動きをするもので、
音がうるさいのと、足に常に負荷がかかるので、
あんまりゆっくり眠れないのだ。
数時間おきに、看護婦さんが点滴の残量を見に来たり、
血圧の測定などを行ったりするのもあり、
ほぼ、眠れぬ一晩を過ごした。
浅い眠りから覚めると、
妊娠してたのが夢だった様な気がして、
アヤちゃんに早く会いたかった。
安静が終わり、とりあえず起きて、トイレに行って!
と言われて、
点滴の棒を杖がわりに、ヨチヨチ歩いて行った。
お腹を切ったので、起き上がる時に痛いので、
ベットの背もたれを電動で動かして起き上がる事にした。
痛い所はお腹の傷で、
後産の収縮痛は気にならなかった。
なんせ、長年生理痛を患って生きてきた女だ。
少々痛くても全然我慢できる。
長年痛みに耐えてきた経験が、
まさかこんな所で生かされるとは。
通常の病室に戻ったので、
ぶっちゃけ暇だ。
アヤちゃんに会いたくて、
新生児室まで見に行ってしまった。
そこは、小さい病院の利点である。
ちょっと歩くだけで、行けちゃうのだ。
アヤちゃんは、小さくて、
でも、昨日までお腹の中に居たとは信じられない位、
目の前に存在してた。
新生児室の窓から、アヤちゃんを眺めていたら、
看護婦さんが、
「お部屋に連れて行って良いよ!
疲れたら、また連れて来てくれたら良いし!」
って言ってくれたので、
新生児用のベットをカートにセットしてくれたので、
コロコロ押して自分の部屋に連れて帰った。
部屋に着いたら、
とりあえずアヤちゃんを抱っこしてみた。
か、可愛い。
なんて小さくて可愛いんだろう。
ちょっと黄色いのは、新生児黄疸なのかな?
と思ったが、黄疸はそれほど出て無くて、
単なる色黒の様だった。
自分のベットにアヤちゃんを寝かせて、
携帯で写真を撮って、
マナトさんに送ったり、
ちょっと、やってみたくて、
おしめの交換とかもしてみた。
あーーー楽しい。
小さい声で泣くアヤちゃんの、
泣き声も可愛いし、
必死で泣いてるアヤちゃんの顔をニヤニヤ眺めて居た。
マナトさんに、出生届を出してきてね。
と、お願いしてあったが、
仕事の事もあるし、
家の事もお願いしてたので、
なかなか暇が無く、
ましてや、お見舞いにも来てもらってるので、
時間が無いようだった。
帝王切開の入院は約10日間。
その間、毎食豪華な食事が出てきて、
全部美味しかった。
産後は、栄養のあるものを沢山食べなくては、
という事で、煮魚があるのに、
隣にシチューがあったりして、
二食分の食事を一度にとってる様な感覚だった。
一回フランス料理のコース。
という祝い膳の日もあったりして、
本当に入院生活は楽しかった。
産まれたての赤ちゃんが4人程並んでる新生児室で、
アヤちゃんは、小柄な方だったけど、
どういう訳だか一番可愛く見えた。
「アヤちゃんが一番可愛いんだ!」
って言ったらマナトさんが
「それが、親ばかって言うんじゃない?」
と笑われた。
そうこうしている間に、明日退院という日、
マナトさんは、さすがに毎日のお見舞いで疲れたらしく、
明日はお店を休んで、迎えに行くから、
今日は、お見舞いに行かないよ。
と、連絡が来た。
明日からアヤちゃんをちゃんと育てられるのかな?
と、いう不安なのか、
なんなのか?
良く解らないけど、突然得体の知れない不安が広がり、
アヤちゃんを眺めながら、
一人でシクシク泣いてしまった。
その得体の知れない不安は、
現実になろうとしていた。
退院の日がやってきた。
荷物をまとめ、
服を着て、帰る準備を整えた。
入院費の支払の為にお金を下しに、
銀行へ出かけた時に、
ちょっとクラっとしたのは、
久しぶりに外へ出たから。
人間、10日ぶりで外へ出るのも疲れるんだ。
マナトさんはかなり入院長かったので、
大変だっただろうな。と思った。
マナトさんが迎えに来てくれて、
タクシーで家まで帰った。
マナトさんの友人であるユズミさんが、
厄年に生まれた子は、
一度、捨てて他人に拾われると運が良い、
と教えてくれたとかで、
マンションのエントランスで、通行人を待ってると、
女子大生位の女の子が来たので、
ちょっと説明して、
お願いしてみると、
ビックリしたようだったけど、
やってくれると言う。
厄年であるマナトさんがアヤちゃんを床に置いて、
その女子大生が拾い上げてくれた。
アヤちゃんを受け取り、
お礼を言って別れた。
これで全て上手くいくな!
って思った。
自宅に着くと、
マナトさんが、出生届を出してくると言ったので、
一緒に行きたかったけど、
まだ退院したばかりだし、
姑は、夜、家で食べるお弁当を買いに行ってたので留守だし、
家でアヤちゃんとのんびり待つ事にした。
思いのほか、マナトさんが帰って来ないので、
なんだか、昨夜の不安がぶり返してた。
予感は的中した。
ようやく帰って来たマナトさんが言った言葉は、
「アヤちゃんの出生届は、受理されなかったんだ。
今、受理すると、前の旦那の子供になってしまうそうだ。
だから、裁判しよう。
そしたら、大丈夫だから。」
マナトさんが最後まで話し終わる前に、
涙が溢れて止まらなかった。
「やだ。
そんなのやだ。
アヤちゃんは、どどの子供だもん。
どどとマナトさんの子供だもん。
元旦那なんか会いたくないもん。
やだ。
やだ。」
首を横に振りながら、涙を流すどどを、
マナトさんは抱きしめてくれた。
「俺、今からユズミさんの所に行って、
弁護士、紹介して貰ってくるよ。
こういうのは早い方が良いから。」
本当は、ずっと抱きしめて居て欲しかったけど、
泣いていても始まらないのだ。
そそくさと出かけて行ったマナトさんの背中を見て、
どども置いて行かれないように、
しなくちゃいけないと思った。
アヤちゃんは、頂きもののベビーベットの中で、
泣いていた。
そうだ、どどは泣いてる暇などないのだ。
アヤちゃんの為に戦うのだ。
アヤちゃんを抱き上げると、
ギュッと抱きしめた。
むしろ抱きしめて貰ってるのはどどの方だったけど。
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アヤちゃんというのも、勿論偽名なんですけど、
雪組トップスター望海風斗様の、
本名から頂きましたよ。
望海風斗さんは、朝夏まなと様と花組時代に、
一個違いの学年で、とても仲良し。
望海さんが出演した、
タカラヅカ有料チャンネル・スカイステージの番組、
「ブリリアントドリーム・NEXT」の最終回の、
公開収録に、花束を持って登場したのが、
朝夏まなと様。
その時、
「アヤちゃーーーん!」って笑いながら出てきたのが、
とても素敵な想い出です。
そう、二人は、
「アスカさん」
「アヤちゃん」
と、本名で呼び合う仲良しなんですよ。
そんな二人が大好きなので、
朝夏様が卒業したら、望海さんに癒して貰いますね。(笑)

望海さん、彫刻刀で彫ったような、
美しい顔なんですよ。
そして、ヅカイチの美声の持ち主です。

昔から可愛かったね。

「まぁだい」というカテゴリーも生まれております。
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