雪組で公演し、大好評だった演目「ファントム」が、
今度は城田さんが演出・主演するということで、
数ヶ月前からチケットを各所で申し込み、
なんとか、加藤さんと城田さん1回づつ確保できました。
私がもっとも注目した点は、
もちろん、城田さんの演出について。
雪組公演との違いなどを感じつつ、
非常に楽しめました。
まずは、こちらの組み合わせから・・・

加藤和樹さんが好きなので、
この組み合わせはマストでした。
ヅカを卒業して大活躍中の、
愛希れいか(ちゃぴ)ちゃんとの組み合わせが楽しみ。
シャンドンは、それほど出番もない為、
できれば、ビジュアル的に美しい廣瀬さんで、
という、私の好みを優先した形のキャスト。
しかし、加藤さんはフランケンシュタインのお稽古に入る為、
大阪公演は2日間のみという実にタイトなスケジュール。
さて、タカラヅカ版は、ファントムのすみか、地下墓地から始まるのですが、
外部版は、パリのマルシェからのスタートのようでした。
開演前の、ロビーでのパフォーマンスや、
キャストによる、客席内でのプログラム販売など、
始まる前から楽しい。
パリオペラ座近くのマルシェの雰囲気が、客席に広がります。
3階席での観劇でしたが、キャストが回ってきてくれて、
とても楽しめました。
そして、すっかり劇場全体がパリのマルシェの雰囲気になったところで、
オーバーチュアが流れ、一気に物語に入って行く演出。
とても良いと思いました。
客席から登場したちゃぴの溌剌とした笑顔が、
相変わらず可愛いし、
美しい身のこなしも、
素敵だなと感じました。
ヅカと変わったところは、
自然なお化粧とお芝居でしょうか。
やはり、ヅカは夢の世界を体現する為に、
何かと誇張されているなと感じましたね。
しかし、ちゃぴの丁寧なお芝居は、
相変わらず好きだなと思いましたね。
さて、私の大好きな和樹さん。
歌を心配してましたが、
すごく良かった。
なんせ、雪組公演は望海さんでしたから、
歌唱力では、比べてはダメなのは解ってますが、
なんせ、耳に残っているのは望海さん。
そんな中でも、和樹さんが良いと思ったのは、
ものすごく、お芝居が良かったからかな?
と、自己分析しています。
個人的な好みの為、
皆様に当てはまる感想ではないと思いますが。
和樹さん、ものすごくカッコよくて大好きなんですが、
どうも、相手役を好きになる芝居が、
もひとつ薄くて、
私は、恋する男(役)を見るのが大好きなので、
そのところを強化してほしいと思っていたのですが、
ちゃぴって、ほら、娘役のスペシャリストじゃないですか、
娘役力で、なんか和樹が恋しているみたいに見えたので、
すごく、楽しめました。
ありがとう、ちゃぴ。
でも、城田版のエリックは、
幼児性が残っていて、
恋するというよりも、
マザコン。
クリスティーヌに母の面影を求めていて、
そのところの比重が大きかったなと感じました。
驚いたのが、キャリエール役の岡田さんが非常に芝居が上手くてですね、
もう、感動しかなかったわ。
やはり、クリスティーヌの母性と
キャリエールの父性が爆発しないと、
この作品は完成されないんだなと思いました。
(雪組は、そこの辺りが弱かった)
「You are My Own」
キャリエールがエリックの父だと告白して、
ようやく分かり合える親子。
そして、エリックは最後のお願いをする。
捕らえられて見世物にされるくらいなら、
最期はあなたが僕の命を絶ってほしい。
涙なしでは見れないシーン。
和樹さんの不器用だけど真っ直ぐな父への愛が感じられ、
父も息子に似た不器用さで距離を縮めて行く感じが、
物凄く良かった。
大号泣して、今年一番泣いた演目だなと、
思いましたね。
しかし、演出は城田さん、
城田さんの芝居を見ないとな・・・・
というわけで、別の日に見てきました。

はい、
クリスティーヌとシャンドンは、変わらず。
自分の好み優先の観劇は楽しい。
前回、和樹さんで見ていたので、
色々と落ち着いて見れたのですが、
なんかね、思った通りというか、
思った以上というか・・・・
城田さんが上手すぎる
演出と主演を両方やるのって、
こういうことなんだ。
と、腑に落ちました。
和樹さんは、城田さんに演出して貰った上で、
自分なりのお芝居を展開していたんだなと、
感じました。
演出家によっては、役者の工夫を殺す人もいるので、
城田さん好感度しかない。
大人になりきれないエリックが、
闇の中で求めた光がクリスティーヌだった。
そして、ラスト最愛のクリスティーヌに抱かれて死んでいくエリックは、
まるでキリストを抱くマリア像のよう。
城田さんのビジュアルといい、
エリックって堕天使だったのかな?
って思ってしまった。
幼児性は、純粋さでもあって、
大人の都合とか、
世の中の不条理などと無縁なエリック。
顔の傷は、太陽(神)の光を受けすぎないようにする雲
という歌詞があり、
まさに、顔に傷があることで化け物扱いされたエリックは、
世間から離れた地下墓地で、
純粋培養されたわけなのだ。
生まれたエリックを化け物扱いしないばかりか、
美しいと思っていた母ヴェラドーヴァ。
母が見ていたのは、心であって外見ではなかったのだな。
と、思ったので、
ラスト、傷にキスするクリスティーヌもまた、
エリックの魂を愛していたんだなと思いました。
非常に作品に対する理解が深まり、
感動ひとしおかと思いきや、
なんせ城田さんが上手すぎるために、
感嘆しまくって、
物語に浸れなかった。
城田さん、セリフと歌を融合する技がすごいのよ。
歌声と話し声が同じというのが、
ミュージカル俳優に求められる条件だとしたら、
城田さんは、完璧ですよね。
しかも、感情をメロディに乗せるのが、
ミュージカル歌唱なのだとしたら、
城田さんは完璧(2回目)
さらに、セリフと歌をシームレスに表現できる事こそ、
ミュージカルなのだとしたら、
城田さんは完璧(3回目)
ポツリと呟いたところから始まった歌とか、
ところどころセリフ調になる歌とか、
ああ、こういうのを嫌味なくサラッとやってくれたら、
ミュージカルとして、最高なんだなと。
非常に勉強になりました。
城田さんは、現在の日本において、
ミュージカル俳優として、
ひとつの頂点に居るなと感じました。
これが出来そうで出来ないのが井上芳雄さんで、
出来るだろうなと思うのは山崎育三郎さんかな。
次回のエリザベートにトートにアサインされた山崎さんに期待してます。
(トートも城田さんがいいけれど・・・)
(本当は、和樹さんにもトートしてもらいたいけれど・・・・)
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