フライング・サパを深読みしない

コロナで次々と公演が中止の中、
宙組の皆様は陰性で公演続行。

さすが水星に行っているだけあって、
地球のウイルスなどには感染しないのだな!
と、やたら面白がって観に行ってきました。

とはいえ、厳戒態勢。
梅芸メインホールも、客席数半分のお客様で公演中。
おチビな私には、前の方の頭が邪魔で・・・
という事も無く、
とても観やすいのがありがたいです。

さて、舞台は水星の上田久美子先生の意欲作。

正直、久美子信者ではない私なので、
初めから宙組の皆様の容姿端麗さを愛でるのが最重要任務。

真風さん、本当に素敵すぎましたし、
キキちゃんもかっこいい。
ああ、宙組って素敵!

加えて、もえこちゃんのメガネ姿も良いし、
アレクサかよ?と突っ込みたい感じのしどりゅう。
そして、容姿担当のかなこさん。
皆んな素敵だわ。

それに加えて、
ゆうちゃんさんのあまりに凄い芝居力、
ゆうちゃんさんの若い頃を演じたほまちゃん、
クソガキと母親役をいい塩梅で展開したまっぷーさん。
痺れるほど良い。

久美子先生作品は芝居力が足りないと、
役が死亡するんだなと感じました。
しかも、その域値の幅が狭い。

めちゃくちゃ狭い範囲にしかストライクゾーンが無いという、
観ているこちらもスリリングな作品なのですよ。

そのため、そうじゃ無い感がそこら中に見つかって、
違和感が大忙し。

その違和感が、水星っぽいとか・・・

んな風には思えませんでしたね。

 

だからと言って駄作でも無く、
私的には、良い作品だと思いました。

星逢とかコンサバみたいな、
やり場の無い気持ちが渦を巻いて、
そこに囚われてしまう様な絶望感も無かったので、
良かったと思ったのです。

しかし、ヅカ的な要素は一切無く、
群舞もそんなに無いし、
歌も少ないし。
やたらストプレだし。

若干ネタバレしますけれど、

世界平和を目指したゆうちゃんさんの壮大な夢が、
破れて、新たな世界を目指して旅立つという話なのですよ。

なので、今のこのコロナの時代を重ねて見ると、
何かと考えさせられる様なところもあるんですよね。

その辺りがラストシーンの

まどか「それって地球の言葉で・・・何だっけ?」

真風「希望」

というセリフのやりとりが出てきて、
ぶっちゃけ、私は、
今、ヅカが軒並み公演中止の中、希望は全く持てない!って
思ってしまい、
何だか興醒めしてしまったのですよ。

作品を深読みするのって、とても楽しいけれど、
今回ばかりは、深読みしない方が良いなと思いました。

普段であれば、
希望を持って頑張ろう!と言った、
とても前向きな気持ちになる場面だったと思います。
完全に自分の気持ちのあり方が、
観劇に影響してしまっていますねえ。

 

今回、お芝居の中に出てくるダンスが、
コンテポラりー要素が強くて、
こういう系統のダンスってちょっと、
ぶっ飛んだ感覚がある人が居ないと、
絵にならないなと思いましたね。

別に全員で合わせる必要も無く、
それぞれのパッションをぶつけ合う様な、
そんな要素があれば、
もっと面白かったかもしれないな。

そういう色んな意味で枠を飛び出して来ないのは、
久美子先生の演出なのかな?と邪推してしまうと、
一気に久美子先生ワールドという、
箱庭感を感じてしまい、
ゲンナリしてしまうのです。

それを思うと、
コンサバのみりおさんや、神々の朝夏さんは、
箱庭の中から飛び出すことは無いけれど、
箱庭の壁を感じさせない技術があったなと、
改めて感心してしまうのです。

演出家と役者は対等に戦えるパワーが無いと、
作品は生きて来ないのかもしれないな。

そういう意味では、久美子先生の作品は一つの高みなのだろう。
その高みを登り切った所には、箱庭の壁は存在しないのかもしれない。

久美子信者では無い私だけれど、
これからも、久美子作品VS 誰か という格闘技を、
観察していきたいと思います。

信者では無いけれど、ただのオタクなのかもしれない。

正直に大好きです!と言えない所が、
自分的には、気に入っています。

 

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