父からのメッセージ

先日、ふと思いついて、

奈良の長谷寺に行ってきました。

実は、実家が檀家をしているお寺の総本山が、

奈良の長谷寺なのです。

 

去年11月に7回忌法要を行ったのですが、

その連絡があった頃から、

どうも長谷寺に行かなくては。

という思いが強くなっていたのです。

 

こういう事は、実は以前にもあったのです。

それは、父が亡くなる数ヶ月前の事、

うすぼんやりと、

多分父は次の誕生日までは生きられないな。

と、思ったのです。

ええ、なんの根拠も無いです。

ただなんとなく・・・です。

 

その為、最後に逢いに行った方が良いかな?

と、思っていたのですが、

長年老人ホームに入っていた父は、

近年、痴呆が入ってきていて、

どうせ行っても分からないし、

元気な頃の父を思い出せば、

それで良いかな?

と、東京へ行くのを辞めたのです。

 

これが、今でもまちゃくちゃ後悔しているのですよ。

やっぱり、最後に逢いに行けばよかったな。と。

 

私の予感は的中して、

父は誕生日を過ぎた辺りから、

体調を崩して、

1週間後の、2月14日に他界したのです。

 

奇しくも、その日、私は星組公演を見る為、

宝塚大劇場へ向かって居ました。

父の病気は心疾患だったので、

今から東京へ向かっても間に合わないから、

来なくて良いよ。

と、家族に言われて居たので、

それなら、当初の予定通り、

星組公演を観てしまえ。という。

まあ、オタクのご都合主義と言われたら、

何も言い返せない様な事ですね。

 

そして今年、

2月14日は星組公演の初日。

これも巡り合わせなんですよね。

命日を彷彿とさせる感じでしたから、

私は初日観劇を父の命日の祈りの場所にしようと思って居たのですが、

なんせこのコロナ渦で、二階席は販売しないという形での公演。

チケットが取れなかったのですよ。

 

じゃあ、長谷寺にでも行こうかな?

と。

ところが、ダーリンを置いて行くのも気が引けるし、

当日まで悩んでいたのです。

 

朝起きて、部活へ行く娘を送り出し、

自分も用意をしてみたところ、

ダーリンは起きてくる気配が無い。

 

それなら、と、ようやく長谷寺に向かう気持ちになれたのです。

意外にスムースに最寄り駅まで到着し、

山道を歩いて行くと、

立派なお寺がありました。

 

長い階段を上り、本堂にたどり着くと、

法要が始まりました。

本堂に祀られている、十一面観世音菩薩像の見学通路から様子を見ると、

巨大な菩薩像の前に、最高位の僧侶が座り、お経を上げていました。

お寺の構造上、

その後ろが見学通路になる為、

私が参拝客の最前列というスタイルに。

 

まるで喪主の様な・・・

すっかり法要の相乗りです。

 

父の命日の法要のつもりで、

拝んできました。

 

菩薩像の素晴らしさにも感動し、

山を降りて大阪に戻りました。

 

なんとなく、東京の妹に、

「長谷寺行ってきたよ」とメッセージを送ってみたところ、

実家の母にも見せてくれた様でした。

 

母が私が長谷寺に参ってくれた事を、

感謝していると返事がきたので驚きました。

 

実は、祖父と祖母(亡父の両親)が亡くなった後、

亡父は毎年長谷寺にお参りに行っていたらしいです。

 

祖父と祖母は、私が幼稚園の頃、

立て続けに亡くなったので、

それからおよそ30年間もの間、

父が病気になるまで、

欠かさずに、毎年長谷寺に行って居たそうなのです。

 

西国三十三箇所の御朱印も集めて居たし、

実は非常に信心深い人だったのだなと、

初めて気がつきました。

 

そして、両親を大切にしていたんだなと、

そこも初めて気がついたのです。

 

父は毎年行っていた長谷寺に行けなくなり、

きっと心残りだったはずです。

ちょうど7回忌の命日に、

長谷寺に行けた事は、

私が今までした中で、

一番の親孝行かもしれません。

 

これからは、毎年、命日に長谷寺に行こうと決めました。

あの階段を登らなくてはならないので、

健康と体力を維持する事が、

必須になりますが、

それも良い目標になると思います。

 

父からのメッセージを受け取る事ができて、

心の奥がほんわか温かいような気がしています。

 

 

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